こんにちは、Dextaです。
今回は、東南アジアでの起業を目指す方に向けて、各国の外資規制や資本金要件について、私自身の経験と最新情報を交えながらまとめてみたいと思います。
日本から東南アジアに進出しようとする場合、現地では「外資企業」として扱われます。これは法人としての進出に限らず、たとえ個人が自らの資金で出資して現地法人を設立する場合であっても、外資としての取り扱いを受けることが一般的です。そしてこの「外資企業」は、国によってさまざまな規制やルールが定められており、思わぬハードルになることもあります。
ここでは、代表的な4カ国(マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア)について、外資規制や資本金の最低額に関する基本的なポイントをご紹介します。
1. マレーシア:比較的自由な外資規制
マレーシアは、外資誘致に積極的な国のひとつです。多くの業種で外資100%の出資が認められており、製造業やIT関連などは特に参入しやすい環境にあります。
ただし、石油・ガス、金融、教育など一部の業種では、マレー系住民(Bumiputera)との合弁やローカルパートナーの関与が求められるケースもあります。
製造業においては、資本金がRM2.5百万以上(約8,000万円相当、1RM=32円換算)、または従業員数が75人以上の場合に製造ライセンスの取得が必要となるため、事前の確認が重要です。
2. タイ:外資比率に制限あり、ただし特例も存在
タイでは、外国人による出資比率が原則49%までと定められています。つまり、会社の過半数を外国人が所有するには「外国人事業許可証」の取得が必要となります。
一方で、BOI(投資委員会)からの承認を得たプロジェクトや特定の業種では、外国人による100%出資が可能なケースもあります。
また、最低資本金は通常200万バーツ(約6万ドル、約950万円相当/1バーツ=4.75円換算)、外国人事業としての活動がある場合は300万バーツ(約9万ドル、約1,425万円相当)が求められることもあります。
3. ベトナム:業種により規制が分かれる
ベトナムでは、業種ごとに外資の出資制限が細かく定められています。
製造業やハイテク関連では外資100%が認められており、比較的参入しやすい一方、広告、通信、教育、医療などの分野では、外資比率に制限が設けられています。たとえば、広告業は51%までとされています。
資本金の最低額に法的な定めはありませんが、一般的にはUSD10,000(約150万円相当/1USD=150円換算)が現実的な下限とされています。
4. インドネシア:ポジティブリストで規制緩和が進行中
インドネシアでは2021年に「ポジティブ投資リスト」が導入され、多くの業種で外資100%出資が可能となりました。
ただし、一定の分野では今なお制限があり、具体的には医療、飲料流通、通信、メディア関連などが挙げられます。
さらに、外国投資会社(PT PMA)を設立する際の最低払込資本金は1,000億ルピア(約65万ドル、約9,750万円相当/1ドル=150円換算)とされており、他国に比べて高めです。この資本金のハードルは、初期段階の起業家にとっては大きな負担となり得ます。
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まとめ:制度の違いを理解し、リスクを減らす準備を
東南アジアでの起業は大きなチャンスがある一方で、各国で制度が大きく異なるため、事前のリサーチと準備が非常に重要です。
国によっては、ローカルパートナーが必要であったり、資本金の要件が厳しかったりと、日本の感覚とは違う部分が多々あります。また、東南アジアでは法律や規制が短期間で変更されることも珍しくなく、数ヶ月単位で制度がアップデートされることもあるため、最新情報の確認と柔軟な対応が不可欠です。
私自身も、こうした規制の把握に時間をかけたことで、後々のトラブルを回避できたと感じています。この記事が、皆さんのスタートアップ準備に少しでも役立てば幸いです。
Dexta
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