東南アジア起業に向けて準備してよかった5つのこと

起業ストーリー

こんにちは、Dextaです。

今回は、私が東南アジアで起業する前に「やっておいて本当によかった」と感じた準備を、5つに絞ってご紹介したいと思います。

ただ、先にお伝えしておくと、私は渡航前に綿密な準備をしていたわけではありません。むしろ、ほぼ勢いだけで現地に飛び込み、そこから10年以上かけて現地日系企業で実務経験を積み、ネットワークを築き上げた末に、ようやく起業に踏み切ったというタイプです。

つまり、本当の意味での「準備」とは、現地での10年以上にわたる下積みそのものだったと感じています。その中で、振り返って「これをやっておいて本当によかった」と思えることを整理し、共有したいと思います。


1. ざっくりでも事業プランを作ったこと

どういったサービスや商品を提供するか、どのマーケットをターゲットとするかといった基本的な骨組みは、10年間の現地での勤務経験を通じて、実感とともに少しずつ固まっていきました。

その中でも、会社の候補地を選ぶ際には実際に何度も現地に足を運び、交通の便や物流、労働力の確保といった観点から比較・検討を重ねました。また、工場や製造現場のレイアウトについても、紙とペンを持って図面を繰り返し描き直し、できる限り効率的な動線や作業配置を模索しました。

さらに、設立予定地の周辺にどんな人たちが住んでいて、どんな雰囲気の地域なのかを実際に歩いて観察し、「この場所で会社を構えることに無理はないか」と直感的にも確認を重ねていきました。

起業を決めた時点では、これらの構想をノートにまとめ、展開の方向性を言語化することで、自分自身の考えがよりクリアになっていきました。

このプロセスを経たことで、事業を始める際にブレずに判断を下せるようになり、自信を持って一歩を踏み出すことができたと感じています。


2. 資金をしっかり確保していたこと

実際に起業を決断した際、最も不安が大きかったのは資金面でした。

初期費用として、

  • 事務所や工場設備の初期投資
  • ランニングコスト(数ヶ月〜半年分)
  • 法人設立や各種手続きにかかる諸費用

などをざっくり見積もり、必要以上に切り詰めず、ある程度余裕を持って準備しておいたことが、精神的な安心感につながりました。

また、自分で用意した資金に加えて、これまで築いてきた人脈の中から賛同者を得て出資を募ることができたのも、大きな力となりました。人の信頼が経済的な後押しにつながったことは、改めて「関係性の資本」の大切さを実感した出来事でした。


3. 現地の言語や文化をリサーチしたこと

現地での生活経験があったとはいえ、起業をするとなると求められる視点が一段階変わります。

  • 商談での言葉のニュアンス
  • スタッフとの距離感や上下関係
  • 現地バイヤーやサプライヤーとのやりとりにおける常識や感覚の違い

こうした要素を改めて整理・理解し直すなかで、再度現地語を学び直したり、行動様式を見直したりする機会にもなりました。これは事前リサーチというより、10年の経験をベースに「アップデートと再確認」を行った、という表現がしっくりくるかもしれません。


4. ネットワーク作りを意識した行動

現地企業で働いていた期間中に築いた人脈は、起業時の何よりの財産でした。

  • 仕入れ先や販売先を紹介してくれた同業者
  • 信頼できる士業や行政手続きの専門家
  • 苦しいときに相談に乗ってくれた元同僚や上司
  • 企業のビジョンに共感し、出資してくれた現地パートナー

こうした人たちとの関係性があったからこそ、起業はゼロからの挑戦ではなく、「積み重ねの延長線上にある自然なステップ」として捉えることができました。


5. ビザや法制度を基礎レベルで理解していたこと

ビジネスを行う以上、法律や制度の理解は避けて通れません。

  • 就労・投資ビザの種類と取得条件
  • 法人登記に必要な書類やプロセス
  • 会計・税務の基本的な仕組み

現地でのトラブルを未然に防ぐためにも、人任せにせず、自分自身で情報収集を行い、必要に応じてエージェントや専門家に相談するというスタンスを持っていたことが、結果的に正解でした。


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まとめ

私の場合、「起業に向けた準備」とは、何よりも現地での10年以上の下積みに他なりませんでした。

表面的な情報や一時的な流行に流されることなく、現場で体を動かし、人と向き合い、失敗を重ねながら少しずつ築いてきた経験が、今の事業の揺るぎない基盤になっています。

これから海外での起業を目指す方にとって、何か一つでもヒントや勇気になれば嬉しいです。

Dexta

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