【海外起業】海外工場用地は賃貸か購入か。10年で賃料が2倍以上になった後悔

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実は今、これまでを振り返って「もう一度やるなら絶対に変えたい」と思う判断が3つあります。今回はそのうちの1つ、東南アジアでの工場用地に関する判断についてお話しします。

当時、私は迷わず「賃貸」を選びました。事業がうまくいかなかったとき、すぐに撤退・移転できる。そう判断していたからです。

それから10年以上が経ち、今振り返ると、あの判断は半分が正解で、半分は大きな後悔となっています。

こんにちは、Dextaです。

工業団地の「居心地の良さ」に、動けなくなった

当時選んだのは、市内にある工業団地内の賃貸用地でした。

事業の各種許認可、電気、排水といった基本インフラが整っているのはもちろん、警察対応や一部の役所手続きまで、工業団地の事務所が間に入ってくれることもあります。

実際、弊社ではありませんが、他社が近隣住民から騒音の苦情を受けた際、工業団地の事務所が窓口になって対応してくれたケースを見たことがあります。自分の会社で直接対応することを考えると、正直、羨ましいと思ったほどです。

また、定期的に職員が巡回してきて、困っていることがないかヒアリングしてくれる制度もあります。実際にそれで解決してくれるかどうかはまた別の話ですが(笑)、「相談できる窓口がある」という安心感は、思っていた以上に大きいものでした。

「賃貸だから、いつでも動ける」と思っていたはずなのに、気づけばこの快適さに依存し、身動きが取れなくなっていました。移転や撤退のしやすさを求めて賃貸を選んだのに、実際には「ここを出たくない」という感覚の方が強くなっていたように思えます。

10年で賃料が2倍以上。「逃げやすいはず」が、最も重いコストになった

そうして居心地の良さに甘えている間に、賃料はここ10年で徐々に、そして確実に上がり続けていました。

立地やそれまでの契約年数、交渉次第で差はありますが、肌感覚としてこの10年で2.3〜2.8倍。固定費の中でも、最も重い部類に入る数字になっていました。

上がっているのは賃料だけではありません。電気代や人件費も、この10年で同じように上昇しています。賃料の上昇と合わせて、固定費全体を圧迫し、コスト高にさらに拍車をかけているのが現実です。

こうした固定費の変化をリアルタイムで把握できる、マネーフォワード クラウド会計のような仕組みがあれば、もっと早い段階で打てる手があったかもしれません。

「賃貸なら撤退しやすい」という前提で選んだはずが、実際には最も身軽さを失わせるコストになっていた、というのが正直な実感です。

同時期、購入していたら。土地は2,000万円台→5,000〜6,000万円台に

仮に当時、無理をしてでも同じ土地を購入していたらどうなっていたでしょうか。

当時の価格は2,000万〜2,500万円ほど。それが今では5,000万〜6,000万円ほどの相場になっています。(為替レート差などもありますので、あくまでも目安の金額となります。)

正直なところ、当時その2,000万円を実際に用意できたかどうかは分かりません(笑)。それでも、今のこの状況を知っていたら、なんとしてでもかき集めていたと思います。

賃料を払い続けて手元に何も残らなかった10年と、資産として価値が2倍以上に積み上がっていたかもしれない10年。この差は、今振り返ると経営判断として非常に重いものでした。

「土地を持っている」だけで、資金繰りの選択肢が変わる

そして、購入しておけばよかったと最も痛感したのは、資金繰りに困った場面でした。

ローカル銀行には、外資企業であっても土地を所有していれば運転資金を融資してくれるプログラムがあります。賃貸のままだったことで、この選択肢を最初から持てなかったことに気づいたのは、実際に資金繰りで苦しんだときでした。

担保にできる資産があるかどうかは、平時には見えなくても、いざという時の経営の自由度を大きく左右します。

銀行に頼らない「前渡金」と「出資」による資金繰りの工夫については、こちらの記事でも詳しく触れています。

そして今、まさに移転を検討している。後悔が膨らむ理由

実はこの後悔、過去の話ではありません。今まさに、この工場からの移転を検討しているところです。

理由は単純で、コストの高さと、製造キャパがすでに限界に達しているからです。

もしあの時購入していたら、同じ土地の上で増築や建て替えを検討する余地があったかもしれません。賃貸である以上、土地そのものに大きな手を加える判断はしづらく、選択肢は常に「ここで耐えるか、出るか」の二択でした。

移転を検討する今だからこそ、当時の判断の重さを、改めて突きつけられている気がします。

銀行も親会社も頼れない、個人経営者の資金繰りのリアルについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。


まとめ:「逃げやすさ」より「資産を持つ強さ」を選ぶべきだった

移転や撤退のしやすさを優先したつもりが、賃料上昇と資金調達の選択肢の狭さという、より重いリスクを抱えることになりました。

もう一度同じ場面に立つなら、多少無理をしてでも購入を選ぶと思います。「いつでも逃げられる」ことより、「資産として持っておく強さ」の方が、長期的には経営を守ってくれるというのが現在の結論です。

Dexta

大きな決断の後悔と向き合うとき、少しだけ立ち止まって呼吸を整えたくなります。
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