【海外拠点】現地マネージャーを「右腕」に育てる3つのプロセス。合わない部下をリーダーに変えた対話術

海外ビジネス・生活のリアル

こんにちは、Dextaです。

今回は、東南アジアでの経営における「右腕育成のリアル」についてお話します。当時の自分に向けて書くなら、という気持ちで、この経験を振り返ってみました。

最初はまったく合わなかった現地スタッフが、信頼できる“右腕”へと変わっていくまでのプロセスと、その中で感じた葛藤や気づきを綴ってみました。


1.【違和感の正体】紹介された幹部候補との「決定的なズレ」。期待が失望に変わった起業初期

「どなたか良さそうな経理の人材を紹介してくれない?」

そう言って、前職で信頼していた部下にお願いして紹介してもらったのが、今のローカルマネージャーでした。

最初は、戸惑いと苛立ちを覚えるほど、まったく合わない現地スタッフでした。私もイライラしっぱなしで、「まさか、自社で持て余した人材を押し付けてきたのでは?」と疑ったくらいです(笑)。

  • 伝わらないニュアンス
  • 噛み合わないテンポ
  • 常に一言多い返し

何もかもがストレスで、正直「外れくじか?」と思っていた時期もありました。

特に、現地のマネージャークラスとの意思疎通で最初にぶつかるのが「会議」の進め方です。良かれと思って開いた会議が、なぜ沈黙と安易なYesに終わってしまうのか。私が右腕との関係を築く過程で直面した、会議での「伝わらない」壁を越えるための試行錯誤はこちらにまとめています

起業初期の貴重な時間をミスマッチで浪費しないためには、紹介だけに頼らず、海外経営の現場を知り尽くしたプロの目利きを借りるのも一つの賢明な選択です。自分の右腕となり得る『戦友』をどう見つけ、どう引き入れるか。その戦略をプロと練っておくだけで、精神的な消耗は劇的に減らせます。

[Samurai Job(JAC Recruitment)で、海外拠点を支える「右腕候補」の採用戦略をプロに相談する]

※もし最初からプロのアドバイスがあれば、あの時の苛立ちや疑念を、もっと早く信頼に変えられたかもしれません。」


2.信頼構築の第1フェーズ。摩擦を恐れず、相手の「思考の癖」を理解するための観察期間

それでも、降格や解任に踏み切らなかったのは、どこかに“可能性”を感じていたからです。

時間をかけて仕事を重ねていくうちに、少しずつお互いの価値観やテンポ、考え方の癖が見えてきました。

  • 「この人は、こういう言い回しをするんだな」
  • 「この領域までは任せて大丈夫そうだ」

摩擦の中から、信頼の輪郭がゆっくりと浮かび上がってきました。

相手を完全に理解することはできなくても、理解しようとする姿勢が少しずつ信頼を育てていく。そう実感できる日々でした。

人を育てるのが苦手な私が学んだ、現場へ権限を譲るための具体的なステップはこちら


3.信頼構築の第2フェーズ。資金繰りやコロナ禍という「共通の敵」が育んだ強固な絆

何より大きかったのは、いくつもの難局を共に乗り越えた経験です。

  • 会社設立直後の資金繰り危機
  • サプライヤーとのトラブル
  • そして、コロナ禍

逃げずに立ち向かい、一緒に考え、動いてくれた彼の姿勢に、私は信頼以上の“絆”を感じるようになりました。

このとき、「部下」ではなく、「頼れる右腕」になってくれたと心から思いました。


4.権限委譲】役所対応やサプライヤー交渉の全任。経営者が「自分がいなくても回る」と確信した瞬間

今では、

  • 役所の煩雑な対応も一手に引き受けてくれる
  • サプライヤーとの交渉では妥協せず強気で臨んでくれる
  • 必要な場面では私に代わって現場の調整や説得も担ってくれる

経営者として、これほど任せられる存在がそばにいることが、どれほど心強いか。

以前は「すべて自分で見ておかないと不安だった」私も、今では彼に任せる部分が大きくなりつつあります。

誰かが抜けても事業が回る、離職を前提とした強い組織の作り方をまとめました


5.文化の差を楽しむ余裕。強固な信頼関係があっても残る「確認文化」というスパイス

信頼関係が築けた今でも、たまにこう思うことがあります。

「それでもまだ、こんな些細なことを確認してくる?!」

そんな東南アジア的な“確認文化”に、思わず笑ってしまう場面もあります(笑)。

でも、そういうやり取りさえも、今となっては信頼の証だと感じています。


6.総括:右腕は「見つける」ものではなく「共に築く」もの。人を育てるのが苦手な経営者へのエール

結局、「右腕」は“見つける”ものではなく、“築いていく”ものなのだと、今は確信しています。

  • 自分の苦手を認めた上で
  • 相手の不器用さも含めて信じて任せる覚悟を持ち
  • 共に困難を乗り越える

この積み重ねが、信頼を生み、成長を支えるのだと思います。

私のように「人を育てるのが苦手」な経営者でも、あきらめずに向き合えば、必ず変化は訪れる。

今日も、そう信じて現場に立っています。

Dexta


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感情の迷いを断ち切り、部下を「勝てるリーダー」に変える
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