「成功するまで帰らない」——そう誓ってこの地に来てから、気づけば20年が経っていました。
あの頃の無鉄砲な熱狂が、今の自分の土台になっています。そして今、「帰る希望」が静かに育ちつつあります。
この記事では、20年という時間が変えたものと、変えなかったものについてお伝えします。
こんにちは、Dextaです。
20年前の「無鉄砲な熱狂」が、今の自分の土台をつくった
初めて東南アジアに渡ったときは、恐れよりも期待の方が大きかったように記憶しています。
「成功するまで帰らない」「骨を埋める覚悟で来た」と心に誓い、どんな困難にも逃げずに向き合ってきたつもりです。今思えば無鉄砲で未熟な部分も多かったのですが、その純粋な情熱が今の自分を支える基礎をつくってくれたのだと思います。
現地のスタッフたちと汗を流しながら一つひとつ課題を乗り越えていく。振り返ると、あの頃の自分は“怖さ”よりも“覚悟”に支えられていました。
あの日の気持ちは、今でも自分の原点です。
スタッフの成長に震えた日と、日本の成熟さに気づいた日
現地で会社経営を続ける中で、スタッフたちの成長を目の当たりにしてきました。
新人として入ってきた子がリーダーになり、家庭を持ち、後輩を指導するようになる。その姿を見るたびに、この地で事業を続けてきた意味を感じます。
一方で、長く海外で暮らすほどに、改めて日本の素晴らしさに気付く場面も多くなってきました。
社会の仕組みや整然さ、人の思いやり、細部に宿る丁寧さ。日々の経営の中で、「日本という国がどれほど成熟した社会なのか」を痛感することが多々あります。
現地への恩返しをしたい気持ちと、日本の良さを再認識する気持ち。その両方が、今の自分を形づくっているように思います。
現地スタッフとの信頼関係の築き方については、こちらもあわせてどうぞ。
「自分がいなくても回る組織」へ。孤独なトップからの脱却
ここ数年で、会社の運営を徐々にローカルスタッフへ任せるようになりました。
当然不安もあり、まだ試行錯誤の段階ですが、彼らが自分の代わりに現場を動かす姿を見て、少しずつ“任せる”ということを実感しつつあります。
もう少し先の話ですが、今後自分がいなくても会社が回るようになったときは、少しの寂しさと、それ以上の誇らしさを感じるのでしょう。
そして今は、「最終的に日本に帰ること」が一つの目標になりつつあります。それは“終わり”ではなく、“次の始まり”なのだと思います。
若い頃に抱いた「帰らない覚悟」が、今は「帰る希望」へと静かに変わっていきました。
組織を自走させるための権限委譲の具体的なステップはこちら。
20年という時間の中で実感してきたのは、言葉の壁を越えるほど経営の幅が広がるということです。
現地スタッフとの対話、取引先との交渉、後任への引き継ぎ。英語力が上がるほど、次のステージへの選択肢が増えていきます。海外で長く生きてきた経験を、さらに深めたい方に。
永住だけが正解ではない。関わり続けるという主体的な選択
“根を張る”という言葉は、永住を意味するものではないのかもしれません。
私にとってそれは、この土地を理解し、尊重し、関わり続けるという生き方そのものを指します。
現地で得た経験や人とのつながりは、これからも私の中で生き続けていく。たとえ帰国しても、それらが消えることはありません。
むしろ、その経験を今後どう日本で活かすかを考えることが、次の挑戦になるのだと思います。
まとめ:「どこで生きるか」より「どう生きるか」。20年が教えてくれたこと
海外で起業し、経営を続けてきた中で学んだのは、結局のところ「どこで生きるか」よりも「どう生きるか」だということでした。
東南アジアでの日々は、自分にとって挑戦であり、学びであり、そして人生の大部分でもあります。
“帰る場所”を変えるということは、単に住む場所を移すという意味ではなく、自分の価値観を更新しながら、これからも前を向いて生きていくという選択なのだと感じています。
コロナ禍の孤独と経営の記録については、こちらもあわせてどうぞ。
Dexta
20年という時間が磨いてくれたもの。少し立ち止まって、静かに自分と向き合いたいときに。 ▶ こころを整える、静寂の鏡
書籍紹介:苦しかったときの話をしようか ― ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡 毅著)
▶ 20年の「戦い」を経て、次のステージへ向かうリーダーへの贈る言葉
記事で書いた『無鉄砲な熱狂』や『孤独な判断責任』。それら全てを経験し、次の世代へバトンを渡そうとする今、改めて手に取ってほしい一冊です。 日本を代表する戦略家が、自身の挫折や苦闘を包み隠さず綴りながら、キャリアの本質を説いています。「どこで生きるか」よりも「どう生きるか」を選び取ってきたDextaさんの20年という軌跡を、静かに、そして熱く全肯定してくれるはずです。


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