「人さえうまくいけば、事業は半分成功したようなものだ」——
この言葉を、東南アジアで経営しながら何度も噛み締めてきました。資金や戦略より、人材マネジメントが最大の壁だったかもしれません。
この記事では、私が現地で実践してきたチームづくりとマネジメントの鉄則を、実体験とともにお伝えします。
こんにちは、Dextaです。
資金繰りより難しかった「人」の問題
起業を志した当初、頭にあったのは資金繰りや原料調達、販売戦略でした。
しかし実際に現地で事業を始めると、最も苦労したのは「人材マネジメント」だったかもしれません。
文化や価値観の違いから、どうしてもミスコミュニケーションが起こります。そのため、今でも毎日のミーティングは欠かせない習慣になっています。時間は取られますが、これを怠ると小さな誤解が大きな問題に発展してしまうからです。
「報連相」が通じない。期待のズレをどう埋めるか
日本では当たり前とされる「報連相」や「自主的な改善提案」が、必ずしも現地で通じるわけではありません。
現地スタッフは指示を待つ傾向が強く、主体性を期待するとミスが生じることも多いです。
「報連相は大事だ」と何度も伝えてますが、こちらが思う“報告”と、現地スタッフの“報告”がどうやら別物のようで、一時的に無駄で不要な報告が増えたこともあります。(笑)
また、給与や待遇を重視する人が多く、「やりがい」や「責任感」を前面に出す日本的なスタイルだけでは動機付けが難しいのが現実です。
なぜ現地スタッフは「昇進」を拒むのか。日本式の成功観を捨て、定着率を高める役割分担のコツ。
定着率を上げた3つの実践。文化の尊重・シンプルなルール・フォロー
そこで私が実践してきたのは、いくつかの工夫です。
- 文化を理解する姿勢を持つこと - 宗教行事や家族優先の価値観を尊重する。
- ルールをシンプルにすること - 守るべきポイントを明確にし、複雑さを排除する。
- 全てを任さずフォローすること - 完璧を求めず、チェックの仕組みを用意する。
さらに、幹部社員や優秀なワーカーとの定期的な会食を通じて、信頼関係を強めています。また、年に一度の社員旅行やレクリエーションも実施し、チーム全体の一体感を高める工夫をしています。
それでも、正直うまくいかないこともあります。
「日本式は通じないのか」と、立ち止まることもありました。
しかしこうした取り組みが、少しずつスタッフの定着やモチベーションの向上につながっているのではと考えています。
『現地化』という名の丸投げが招いた品質崩壊。不正とキックバックを防ぐガバナンスの要諦。
口コミで良い人材が集まる。信頼ベースの組織を作る
現地でのビジネスは、短期的な成果だけを追っても続きません。
むしろ、一緒に働くスタッフが長く勤めてくれる環境を整えることが、事業の持続性を左右します。例えば給料の金額といった分かり易い指標で人が動きやすいからこそ、日々のコミュニケーションや信頼の積み重ねが最終的にチームの成長を生みます。
特に東南アジアでは「口コミ」で良い人材が集まることも多いため、一人でも信頼できる人が根付けば、その後の採用や育成が格段に楽になるのです。
もちろん自社での育成は大切ですが、ゼロから信頼を積み上げる時間とリスクを短縮するなら、すでに実績と高い倫理観を持つハイクラス人材を外部から招聘するのも賢い選択です。一人の優秀な管理職がもたらす『信頼の連鎖』は、組織全体の定着率を劇的に変える力を持っています。
まとめ:異文化経営は「対話の積み重ね」。それだけが強いチームを育てる
海外起業において、最大の試練は人材マネジメントとも言えます。
文化の違いに直面しながらも、相手を理解し、ルールや指示を分かりやすくシンプルにし、信頼関係を築くことで、少しずつ強いチームが育っていきます。
私にとっても、今もまだ日々の試行錯誤の連続ですが、この経験こそが東南アジアで起業を続ける力になっています。
欠勤を前提とした組織づくりの土台については、こちらもあわせてどうぞ。
Dexta
対話を重ね、信頼を積み上げ、それでも迷い続ける経営の日々に、少しだけ静かな時間を。 ▶ こころを整える、静寂の鏡


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