「親戚が遊びに来た」——これが欠勤理由になる。
東南アジアで経営していると、こんな場面は珍しくありません。欠勤をゼロにしようとするより、「起きる前提で仕組む」方が現場は安定する。
この記事では、私が試行錯誤の末に辿り着いた、欠勤文化との向き合い方と運用ルールの作り方をお伝えします。
こんにちは、Dextaです。
「バイク事故」から「親戚の来訪」まで。欠勤理由の多様さ
現地スタッフの欠勤理由は本当に多様です。
冠婚葬祭、宗教行事、病人の看病、バイク事故、そして“親戚が遊びに来た”なども立派な欠勤理由です。
特に冠婚葬祭は「家族の誰か」を良く聞いておく必要があることも…。
故意かどうかは分かりませんが、同じ人が二回結婚する、なんてことも。(笑)
特に家族や宗教を大事にする文化では、体調不良よりもこういった私用が優先されることも多く、日本の常識とはかなり違います。
事前連絡が来ない。当日欠勤を「当たり前」と捉える文化
前日まで普通に働いていたのに、当日になって突然「今日は休みます」と連絡が来ることは珍しくありません。場合によっては連絡なしで無断欠勤になることも。
現地では、「今日どうしても無理」→「とりあえず休む」が当たり前で、事前連絡を重視する文化ではないと感じます。
極論かもしれませんが、そのまま退職してしまっても構わない、という感覚がないとも言い切れません。
給料日翌日の「突然退職」を防ぐには。現地の金銭感覚と、定着率を高める3つの工夫。
現場と事務所でルールを変える。職種別の強度設計
私は現場作業員の欠勤については、ある程度大まかに構えるようにしています。
むしろ、欠勤を厳しく責めるよりも、皆勤賞を充実させるなど、出勤を促した方がうまくいくと感じています。
一方で、正社員や事務所スタッフについては、ここ数年で欠勤に対する意識も徐々に日本に近づいてきたと感じます。最近では、事前連絡や有給申請の文化も少しずつ浸透してきています。
こうして規律が芽生え、真面目に働くスタッフほど、次なるステップとして「昇進」を検討したくなります。しかし、良かれと思って打診した昇進が、思わぬ拒絶を生むことも。
責任を負うことを極端に嫌う、東南アジア特有の「評価と昇進」に対する価値観の違いと、私が直面した昇進拒否のリアルについてはこちら。
欠勤前提の仕組みを作る。代替要員と皆勤賞の設計
現場作業員の急な欠勤に備えて、私は“代わりとなるスタッフ”を常時多めに配置しておくようにしました。
欠勤者が出ても即座に代わりの者が現場に入れるような仕組みを作ったことで、日々の混乱はかなり減りました。
また、皆勤賞を積極的に用意することで、「とりあえず行こう」と思ってもらえる空気を作ることも意識しています。
このような『欠勤を前提とした仕組み』を維持し、現場の士気をコントロールするには、文化を理解しつつも経営側の規律を体現できる優秀なマネージャーの存在が不可欠です。属人化を排除した組織を作るためには、まずその設計図を描けるハイクラスな人材を中核に据えることが、安定経営への最短距離となります。
感情論を排除する。郷に従いながら、譲れないラインを守る
現地の欠勤文化は、良い悪いではなく“当たり前”として存在しています。
それを無理に日本のルールで縛ろうとすると、かえって統率が取れなくなる可能性もあります。
私が大切にしているのは、まず現地の文化を理解すること。
その上で、自分たちの現場に合った“ゆるやかなルール”を少しずつ育てていくことだと思っています。
まとめ:欠勤はゼロにできない。ゆるやかなルールを育てる
東南アジアにおいて、欠勤文化をゼロにするのは現実的ではありません。
大切なのは、現地の常識や文化、習慣を受け入れた上で、自分たちの会社に合った運用ルールを育てること。
例えば、今日からできる運用として;
- 休暇申請のルール決め(いつまでに/誰に/何を)
- 例外扱いのルール決め(急な病気や交通事故)
- 現場と事務所でルールの強度を変更する
文化を理解しながら、製造現場の安定と働きやすさをどう両立させるか。
私にとっては、今も試行錯誤を続けている課題のひとつです。
欠勤を前提とした組織づくりの土台については、こちらもあわせてどうぞ。
Dexta
欠勤、遅刻、想定外の連続。それでも現場に立ち続ける経営の合間に、少しだけ静かな時間を。 ▶ こころを整える、静寂の鏡


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