「これはもう任せても大丈夫」と判断して任せたのに、現場が思うように回らない——東南アジアで経営していると、これは今でも定期的に起きます。
自分は正しく任せているはずなのに、なぜか動きが鈍くなる。結局また、自分が前に出る場面が増えていく。
この記事では、「任せ方」がうまく噛み合わなかった理由を整理しながら、権限委譲の要諦をお伝えします。
こんにちは、Dextaです。
「口出ししない」が組織を止める。任せるには段取りと確認が必要だった
自分は今でも、極力具体的な指示を減らし、細かい判断に口を出さないことを「任せる」ことだと考えてしまいがちです。
ただ、その状態が続くと、いつの間にか「任せた」つもりが、「放置している」状態に近づいていることがあります。
任せるには、本来、最低限の段取りと確認が必要です。
それを怠ると、現場は自由に動けるのではなく、判断に迷う状態になります。この違いは、今も意識し続けている点です。
判断の物差しを渡さないまま任せると、現場は止まる
何を優先してほしいのか。
どこまで独自で判断してよいのか。
迷ったとき、何を基準に、どこまで戻ればいいのか。
こうした判断軸を十分に共有しないまま、現場に委ねてしまう場面は、今でも起こります。
東南アジアあるあるなのかもしれませんが、例えば、ある案件で判断を現場に委ねた結果、誰も最終決定をしないまま、話が数日止まってしまったことはよくあります。(笑)
現場が止まるとき、多くの場合は個人の能力や姿勢の問題ではなく、判断材料が不足しているだけです。
任せるとは、自由を与えることではなく、判断の物差しを示すこと。この視点は、今も繰り返し自分に言い聞かせています。
現場スタッフに何を、どこまで共有し、どう判断させるべきか。その具体的な「開示のライン」については、こちらの記事で整理しています。
無意識の「介入」がスタッフの成長を奪っていた
これは私の悪い癖なのかもれませんが、任せているつもりでも、最終判断や説明責任は、無意識のうちに自分が握ったままになることがあります。
何か問題が起きれば、自分が判断し、修正し、説明する。その構造が残っている限り、現場は慎重にならざるを得ません。
権限をどこまで渡し、責任をどこまで引き受けるのか。その線引きは、今でも調整を続けている課題です。
説明を省くのは信頼ではなく怠慢。情報共有が自走を生む
「信頼しているから、細かく説明しない。」
今でも、そう考えてしまいそうになる瞬間があります。
ですが、説明を省くことは信頼ではなく、判断材料を渡していない、怠けているだけとも言えます。
信頼しているからこそ、判断に必要な情報や基準を、むしろ丁寧に共有する。その順序を、常に意識するようになりました。
情報共有を徹底した先に、ようやく「自走」が見えてきます。先日公開した「仕組み化」の全体像についても、併せてご覧ください。
完璧を目指さない。失敗を前提に構造を微調整し続ける
正直に言えば、経営者として恥ずかしい限りですが、今も完璧に任せられているとは言えません。
上述の通り、自分が前に出る場面は、依然として少なくありません。
ただ以前と違うのは、うまく回らない原因を「人」ではなく、「構造」として捉え直すようになったことです。
任せるとは、経営者の覚悟や性格の問題ではなく、段取りと調整の積み重ね。その前提に立って、今も修正を続けています。
現場が「構造」として回らない原因の多くは、経営者の意図を理解し、現場に正しく接続できる「ブリッジ人材」の不足にあります。
自走する組織を創り上げるために、最も効率的で確実な投資は、すでに実績のある管理職を組織に迎えることです。
まとめ:問題の原因を「人」ではなく「構造」に求める
正しく任せた“つもり”でも、構造が噛み合っていなければ現場は回りません。
判断基準と責任の所在を、繰り返し明確にし続けること。それを怠らない姿勢があってこそ、任せるという行為は初めて機能するのだと思います。
任せ方に正解はなく、今も試行錯誤を続けています。
ただ、その「構造」と向き合えるようになったこと自体が、今の自分にとっての一つの前進なのかもしれません。
税務調査というガバナンスの危機を乗り越えた実録もあわせてどうぞ。
Dexta
任せて、悩んで、また試す。終わりのないマネジメントの日々に、少しだけ静かな時間を。 ▶ こころを整える、静寂の鏡
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▶︎ 「任せた」を「成果」に変えるための、具体的で迷いのない「物差し」の作り方
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