東南アジアで現地スタッフと働いていると、「今日は休みます」という連絡は日常茶飯事です。
(もちろん、連絡すらなく休む場合もあります。笑)
ただ、その理由が日本人からすると“斜め上”のことも多く、初めは驚きました。
家族の都合、宗教行事、病人の送り迎え、果ては“遠くから親戚が遊びに来た”という理由まで。
どこまで受け入れるのか、どこからルールとして線を引くのか。
今回はこれまで現地で私が向き合ってきた“欠勤文化”についてまとめたいと思います。
1.欠勤理由が日本の常識と違いすぎる
現地スタッフの欠勤理由は本当に多様です。
冠婚葬祭、宗教行事、病人の看病、バイク事故、そして“親戚が遊びに来た”なども立派な欠勤理由です。
特に冠婚葬祭は「家族の誰か」を良く聞いておく必要があることも…。
故意かどうかは分かりませんが、同じ人が二回結婚する、なんてことも。(笑)
特に家族や宗教を大事にする文化では、体調不良よりもこういった私用が優先されることも多く、日本の常識とはかなり違います。
2.事前連絡なし、当日連絡が当たり前
前日まで普通に働いていたのに、当日になって突然「今日は休みます」と連絡が来ることは珍しくありません。
場合によっては連絡なしで無断欠勤になることも。
現地では、「今日どうしても無理」→「とりあえず休む」が当たり前で、事前連絡を重視する文化ではないと感じます。
極論かもしれませんが、そのまま退職してしまっても構わない、という感覚がないとも言い切れません。
3.現場作業員には柔軟に、事務所スタッフには厳しく
私は現場作業員の欠勤については、ある程度大まかに構えるようにしています。
むしろ、欠勤を厳しく責めるよりも、皆勤賞を充実させることで出勤を促した方がうまくいくと感じています。
一方で、正社員や事務所スタッフについては、ここ数年で欠勤に対する意識も徐々に日本に近づいてきたと感じます。
最近では、事前連絡や有給申請の文化も少しずつ浸透してきています。
4.欠勤対策として、私が工夫したこと
現場作業員の急な欠勤に備えて、私は“代わりとなるスタッフ”を常時多めに配置しておくようにしました。
欠勤者が出ても即座に代わりの者が現場に入れるような仕組みを作ったことで、日々の混乱はかなり減りました。
また、皆勤賞を積極的に用意することで、「とりあえず行こう」と思ってもらえる空気を作ることも意識しています。
5.文化を理解し、ルールを育てる
現地の欠勤文化は、良い悪いではなく“当たり前”として存在しています。
それを無理に日本のルールで縛ろうとすると、かえって統率が取れなくなる可能性もあります。
私が大切にしているのは、まず現地の文化を理解すること。
その上で、自分たちの現場に合った“ゆるやかなルール”を少しずつ育てていくことだと思っています。
6.“現地の常識”を知り、自分のルールを持つ
東南アジアにおいて、欠勤文化をゼロにするのは現実的ではありません。
大切なのは、現地の常識や文化、習慣を受け入れた上で、自分たちの会社に合った運用ルールを育てること。
文化を理解しながら、製造現場の安定と働きやすさをどう両立させるか。
私にとっては、今も試行錯誤を続けている課題のひとつです。
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