東南アジアで起業してからの最初の数年間、悩みの大半は「人」に関することでした。
制度や資金よりも、現地スタッフとの価値観の違いや距離感に戸惑う場面の方が、はるかに多かったように思います。
この記事では、記事5〜10を振り返りながら、私が経営初期に学んだ「人との向き合い方」を整理します。
こんにちは、Dextaです。
海外経営の難所は「人」にある。制度より感情に時間を使った創業期
起業前は、海外で事業を始める上での課題は、制度や資金、設備といった「目に見えるもの」に気を取られていました。
しかし実際に現地で事業を始めてみると、想像以上に時間とエネルギーを取られたのは、人に関する問題でした。
働き方の前提、責任感の捉え方、仕事との距離感。
それぞれは一つひとつは小さな違和感に見えても、積み重なることで大きなズレになります。当時はそれを問題として言語化する余裕すらなかったのだと思います。
日本の常識を捨てるまでが一番しんどかった
言語や制度の違い以上に難しかったのは、生活や価値観の違いでした。
こちらが正しいと思って説明しても、なぜか噛み合わない。きちんと伝えれば分かってもらえる、という考え方自体が日本的だったのかもしれません。
正論を積み重ねるほど距離が広がる感覚に、少しずつ気づき始めました。
必要だったのは言語レベルの高さや説明の上手さではなく、これまでの自分の常識や物差しを疑う姿勢だったように思います。
信頼は「正しさ」より「姿勢」で積み上がるものだった
当初は、信頼関係というものは何か特別な方法を使って築くものだと思っていました。
しかし実際には、誤解や衝突、気まずい時間を何度も経る中で、少しずつ積み重なっていくものだった気がします。
「正しさ」よりも、「相手の立場を理解しようとする姿勢」が求められました。
それを自分の中で消化できるようになるまでには、正直かなりのストレスもありましたが……今となっては良い経験です(笑)。
10年以上の試行錯誤の末にたどり着いた、現地スタッフとの「心の距離」を縮める具体的な方法は、今も私の経営の指針です。
「去る者は追わず」に至るまでの、長い葛藤の記録
時間をかけて育てた人材ほど、ある日あっさりと辞めていく。頭では理解していても、何度経験しても慣れない現実です。
現地では転職が珍しくない文化である一方、こちらの感情は簡単には割り切れません。
それでも「去る者は追わず」というスタンスに至るまでには、これもまたストレスといくつもの葛藤がありました。(笑)
欠勤を前提とした組織づくりの土台については、こちらもあわせてどうぞ。
「自分でやった方が早い」という誘惑を、どう断ち切ったか
人が辞めるたびに、「結局自分でやった方が早い」と思ったことは一度や二度ではありません。
それでも、任せることを避け続けると、事業はいつか必ず行き詰まります。
人を育てるのが得意ではない自分だからこそ、失敗込みで任せるしかありませんでした。今振り返ると、その遠回りこそが、経営者として必要なプロセスだったように思います。
もし、かつての私のように『任せること』の難しさに直面しているなら、組織の核となるポジションに、すでに実績のあるプロフェッショナルを迎えることを検討してみてください。
自社でゼロから育てる苦労も尊いものですが、JAC Recruitmentのようなパートナーを通じて、最初から自走できるリーダーを配置することは、経営者の孤独を解消し、事業成長を加速させる最短ルートとなります。
まとめ:正解を探すより、違和感と向き合い続けることが経営の土台になる
起業初期に直面した人の問題は、一つの正解から全てを解決できるものではありませんでした。
人と向き合うことは、経営の一部ではなく、経営の根幹そのものだったのだと、今では感じています。
正解を探すよりも、違和感や認識のズレに気づくこと。その積み重ねが、東南アジアで事業を続ける上での土台になってきました。
記事11以降では、こうした経験を踏まえた上での意思決定や、経営者としての孤独についても書いています。
この先も正解を探すより、違和感と向き合い続けることを大切にしていきたいと思います。
スタッフへの経営数字の開示と、透明性の高い組織づくりについてはこちら。
Dexta
人と向き合い続けた経営の日々。少し立ち止まって、静かに自分を整えたいときに。 ▶ こころを整える、静寂の鏡
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