こんにちは、Dextaです。
この時期を振り返ると、経営の重心が少しずつ変化していった感覚が思い出されます。
それは、覚悟や気合といった個人の内面の問題ではなく、 どうすれば組織として無理なく続けられるか、という課題に向き合う時間でした。
自分が前に出てがむしゃらに働けば何とかなる──。 そう信じてきたやり方が、少しずつ限界を迎え始めたのもこの頃です。
以下では、記事15〜25を通して経験した出来事を振り返りながら、 「個人の覚悟」から「組織の組み立て」へと視点が移っていった過程を整理していきます。
1. 【脱・属人化】経営者の「頑張り」が組織の成長を止めていた。自分が現場から離れるための勇気と、最初の一歩
この頃までは、多少無理をすれば自分が動くことで大抵のことは何とかなる、そんな感覚をまだ手放しきれずにいました。
それは体力や気力の問題というよりも、「経営者とはそういう役割なのだ」と、どこかで思い込んでいた部分が大きかったのだと思います。
自分が前に立ち続けることで回っているように見えて、実際には判断が集中し、全体の動きを鈍らせていた。その違和感を、ある出来事をきっかけに、はっきりと自覚するようになります。
この違和感が、結果的に「自分が無理をして回しているだけの状態」だったことを、後になって突きつけられました。
現場に張り付いていた自分が、いかに「自転車操業」的な判断に終始していたか。銀行融資に頼らず現金を確保し続けた、当時の生々しい財務戦略についてはこちらにまとめています。
2. 【再現性の構築】マニュアル化の本当の意味。「人」に依存せず「仕組み」に依存する。東南アジアで品質を維持するための鉄則
当時は「従業員を信頼して任せているつもり」でした。
むしろ、信頼しているからこそ細かく口出しをしない、それが正しい任せ方だと考えていたように思います。
ただ今振り返ると、そこには任せ方の基準や仕組みがなく、自分の期待だけが先行していました。
何を、どこまで、どんな判断基準で任せるのか。その線引きが曖昧なまま、任せた“つもり”になっていただけだったのです。
そして、その曖昧さは、時間が経つにつれて小さなズレとなり、やがて問題として表に出てきました。
3. 【暗黙知の形式知化】阿吽の呼吸が通じない海外で、どうビジョンを共有するか。デジタルツールと定性的な対話を融合させる技術
人に頼ることで組織は回りますし、実際、この時期は特定のスタッフに助けられた場面も多くありました。その人の判断力や行動力に、何度も救われたのは事実です。
ただ、その頼り方が積み重なるほど、組織そのものが不安定になっていく感覚も強まっていきました。
特定の人がいないと回らない状態が続くほど、「組織としての形」が少しずつ崩れていくのを感じていたのです。
人に頼ることと、人に依存することは似ているようで、まったく違う。その違いを、頭ではなく実感として学んだ時期だったと思います。
特定の人材に依存せず、かつ信頼して任せるためには、採用段階での見極めがすべてです。私が10年かけてたどり着いた「履歴書を信じない」選考基準を公開しています。
4. 【自律の促進】指示を待つ組織から、提案する組織へ。評価制度とフィードバックの仕組みが、現地マネージャーの意識を変えた瞬間
組織の仕組みを作ろうとすると、どうしても感情的な距離が生まれます。
それを「態度が変わった」「冷たくなった」と受け取られることもあり、実際に関係がぎくしゃくした場面もありました。
仕組みを作ることは、感情を排除することだと誤解されがちですが、近すぎる関係のままでは判断が揺らぎ、結果的に、どちらも苦しくなる。
そのことに気づくまでには、ある種の衝突が必要でした。
5. 総括:ガバナンスとは、チェックし続ける仕組みそのもの。自走する組織を支えるために、経営者が果たすべき「最後の役割」
仕組みを整え、役割を分け、距離を取っても、最後に残る経営者の責任だけは変わりませんでした。
任せる範囲を広げ、判断元を分散させても、最終的な責任から逃れられるわけではありません。
むしろ、「色々と手放したからこそ、残された責任がはっきり見えた」。そんな感覚に近かった気がします。
この時期の経験は、経営者としての覚悟の“量”ではなく、“質”を変えた出来事だったと思います。
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まとめ
記事15〜25を振り返ると、この時期は「成長」というよりも、「整理」に近い時間だったように思います。
自分が前に出続けるやり方の限界に気づき、任せ方を誤り、頼る怖さを知り、距離を取ることの意味を考え続けました。
どれも、うまくいった話ではありません。ただ、その一つひとつが、「個人の覚悟」だけでは事業は続かない、という現実を少しずつ教えてくれました。
この後の記事では、こうして組み直した組織とともに、さらに別の課題や判断に向き合っていくことになります。
次のフェーズは、仕組みを作ったその先で、再び人と向き合い直す時間でした。
Dexta
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▶ 自分がいなければ回らない」という限界を突破し、組織を自走させる指針
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