東南アジアで人を雇うと、離職の速さに誰もが衝撃を受けます。
慰留しても、条件を改善しても、一度「辞めよう」と決めた人は結局辞める——それが20年の経験から得た結論です。この記事では、離職を「前提」として組み込んだ経営の考え方と、組織を強くする3つの視点をお伝えします。
こんにちは、Dextaです。
「去る者は追わず」が鉄則。引き止めが逆効果になる現実
私のスタンスは一貫して「去る者は追わず」です。これは、起業初期の経験から自然と身についた考え方でした。
どれだけ丁寧に話し合い、条件面を見直し、慰留したとしても、 一度“辞めよう”と決めた人は結局辞めてしまう。
もちろん寂しさやショックがないわけではありません。正直に言えば、「今回はさすがに引き止めたいな」と思う人物もいました……が、経験上、ここで粘っても結果はあまり変わらないことが多いです。(笑)
そこに引きずられていては前に進めません。日本的な“義理人情”に期待しすぎると、こちらが傷つくだけ、という場面も少なくありません。
現地スタッフが納得する給与相場とインセンティブ設計については、こちらの記事で詳しくまとめています。
大型イベント明けは離職リスクが急上昇する。事前に打てる手とは
東南アジアでは、宗教的・文化的な大型イベントの直後に“離職”が発生しやすい傾向があります。
たとえば:
- 中国系スタッフの場合:旧正月明けに復職せず退職するケース
- ムスリムスタッフの場合:ラマダン(断食月)明けの長期休暇後にそのまま実家に残るケース
どちらも“何の連絡もなく来なくなる”パターンも珍しくありません。
こうした背景を理解しておくと、事前にフォローや対策が打てるようになります。
突然の離職が続く場合、採用の入口に問題があるケースも少なくありません。現地の労働市場を熟知したプロの視点で、採用の仕組みそのものを見直すことが、離職率を下げる最短ルートになることがあります。
ジョブホッピングは優秀さの証でもある。この文化を逆手に取る採用戦略
現地で人を採用していると、”とても優秀な人に限って“転職回数が多い”ことに気づきます。
これは決してネガティブなことではなく、東南アジアでは「より良い条件があればすぐに動く」という行動が合理的とされている文化だからです。
ただ、企業側としては当然、長期的に力を発揮してもらえる人材を求めたい。
時間はかかりますが、
- 会社の理念や考え方を共有できる
- 忠誠心や責任感が芽生えやすい
といった点で、結果的には安定した組織作りにつながるのだと実感しています。
現場を掌握できる右腕マネージャーの育成については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ:誰が抜けても回る組織を作ることが、最大のリスク管理だった
もちろん、せっかく育てたスタッフに辞められるのはショックです。
でも私はこう思うようにしています:
“辞めることは悪いことではない。むしろその人が次のステップを選んだということ。”
そして、経営者として必要なのは「頭を切り替えて次に進むこと」。
誰が抜けても事業が回る体制を、日頃から作っておくことが最大のリスク管理なのかもしれせん。
誰が抜けても回る教育の仕組み化については、こちらの記事で詳しく触れています。
Dexta
人が去っていく寂しさや、自分の経営が否定されたような感覚に、眠れない夜を過ごす経営者も少なくありません。 私も何度もそんな夜を越えてきました。心がざわついて離れないときは、少しだけ視線を外して、こちらの静かな世界を眺めてみてください。 ▶ こころを整える、静寂の鏡
書籍紹介:他者と働く ── 「わかりあえなさ」から始める組織論(宇田川 元一著)
▶ 文化や価値観の違うスタッフと「対話」を築き、組織を動かす技術
離職に落ち込む時間を、組織を強くする時間に変えるために。文化や価値観が違うスタッフと、どう「対話」を構築し、離職を生まない土壌を作るか。経営者の孤独な戦いを支えてくれる一冊です。人が入れ替わることを前提に、それでも崩れない組織をどうデザインすべきか。海外経営という荒波の中で、感情に振り回されない『強い経営』を目指す方に手に取ってほしい一冊です。


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