「この人には無理かもしれない」——そう思っていた現地スタッフが、今では私の代わりに交渉の場に立っています。
右腕は探すものではなく、育てるもの。この記事では、ストレスの塊だった現地スタッフを信頼できるマネージャーへと変えた3つのプロセスを、実体験とともに紹介します。
こんにちは、Dextaです。
「合わない」と感じたとき、まず観察に徹する
「どなたか良さそうな経理の人材を紹介してくれない?」
そう言って、前職で信頼していた部下にお願いして紹介してもらったのが、今のローカルマネージャーでした。
最初は、戸惑いと苛立ちを覚えるほど、まったく合わない現地スタッフでした。私もイライラしっぱなしで、「まさか、自社で持て余した人材を押し付けてきたのでは?」と疑ったくらいです(笑)。
- 伝わらないニュアンス
- 噛み合わないテンポ
- 常に一言多い返し
何もかもがストレスで、正直「外れくじか?」と思っていた時期もありました。
摩擦の中から、信頼の輪郭が見えてくる
それでも、降格や解任に踏み切らなかったのは、どこかに“可能性”を感じていたからです。
時間をかけて仕事を重ねていくうちに、少しずつお互いの価値観やテンポ、考え方の癖が見えてきました。
- 「この人は、こういう言い回しをするんだな」
- 「この領域までは任せて大丈夫そうだ」
摩擦の中から、信頼の輪郭がゆっくりと浮かび上がってきました。
相手を完全に理解することはできなくても、理解しようとする姿勢が少しずつ信頼を育てていく。そう実感できる日々でした。
任せ方の具体的な手順については、こちらの記事で詳しく書いています。
危機を共有すると、絆は急速に深まる
何より大きかったのは、いくつもの難局を共に乗り越えた経験です。
- 会社設立直後の資金繰り危機
- サプライヤーとのトラブル
- そして、コロナ禍
逃げずに立ち向かい、一緒に考え、動いてくれた彼の姿勢に、私は信頼以上の“絆”を感じるようになりました。
このとき、「部下」ではなく、「頼れる右腕」になってくれたと心から思いました。
右腕となる人材を社内で育てることが理想ですが、採用の時点で「育てられるポテンシャルのある人」を見極めることも同じくらい重要です。現地の人材市場に精通したプロへの相談を、私ももっと早くすれば良かったと今でも思っています。
「任せられる」と確信するまでの、長い葛藤
今では、
- 役所の煩雑な対応も一手に引き受けてくれる
- サプライヤーとの交渉では妥協せず強気で臨んでくれる
- 必要な場面では私に代わって現場の調整や説得も担ってくれる
経営者として、これほど任せられる存在がそばにいることが、どれほど心強いか。
以前は「すべて自分で見ておかないと不安だった」私も、今では彼に任せる部分が大きくなりつつあります。
かつての丸投げによる委譲の失敗があったからこそ、今の「正しい任せ方」に辿り着いたのです。
丸投げとの違いについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
信頼が深まっても、確認は続く。それでいい
信頼関係が築けた今でも、たまにこう思うことがあります。
「それでもまだ、こんな些細なことを確認してくる?!」
そんな東南アジア的な“確認文化”に、思わず笑ってしまう場面もあります(笑)。
でも、そういうやり取りさえも、今となっては信頼の証だと感じています。
まとめ:右腕は探すものではなく、共に築くもの
結局、「右腕」は“見つける”ものではなく、“築いていく”ものなのだと、今は確信しています。
- 自分の苦手を認めた上で
- 相手の不器用さも含めて信じて任せる覚悟を持ち
- 共に困難を乗り越える
この積み重ねが、信頼を生み、成長を支えるのだと思います。
私のように「人を育てるのが苦手」な経営者でも、あきらめずに向き合えば、必ず変化は訪れる。
今日も、そう信じて現場に立っています。
右腕が育っても、離職リスクとは常に向き合う必要があります。離職を前提とした組織の作り方もあわせてどうぞ。
Dexta
現地スタッフとの葛藤、育てることの難しさ。経営の喧騒から少し離れて、静かに自分と向き合いたいときに。 ▶ こころを整える、静寂の鏡
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