【海外経営】給料日後の欠勤や「借金ループ」をどう防ぐか。東南アジアの金銭感覚を理解し、仕組みで組織を守る労務管理術

海外ビジネス・生活のリアル

こんにちは、Dextaです。

東南アジアで現地スタッフと接していると、驚くことも多いのが「現地スタッフのお金の価値観」です。給与の使い方や借金の文化は日本と大きく異なり、理解しないまま接すると誤解やトラブルが生じることも。

もちろん国や地域によって差はありますが、ここでは、私が実際の現場で感じた“現地スタッフによるお金の使い方のリアル”をまとめます。

1.【階層別の実態】貯蓄を始めた中間層と、今も「宵越しの金」で生きる低所得層。経営者が知っておくべき二極化の背景

最近では中間所得者層にも貯蓄や教育費を意識したお金の管理が見られますし、都市部では投資や保険に加入する人も増えてきました。

一方で、低所得者層はまだまだ“その日暮らし”。江戸っ子ではありませんが(笑)、「宵越しの金は持たねぇ」的な文化が残り、入って来た分だけ使い切る生活が一般的です。

これは決してお金にだらしないだけとはいえず、毎日の生活だけで精一杯という社会背景があるためともいえます。

2.【家族優先の論理】仕事よりも家庭が最優先。なぜ給与日後の「突然の帰省」や「家族行事による欠勤」が後を絶たないのか

確かに共働き家庭は増えていますが、働き者は今もまだ主にお母さんたち。

就業時間になるとお迎えのお父さん達のバイクが門前に並ぶ光景は日常で、家族で支え合う文化が強く残っています。

役割分担は“家族優先”が前提で、日本のように仕事に家庭を合わせるのではなく、家庭に仕事を合わせる価値観が根付いています。

3.【出勤率の壁】給料日は全員出勤、直後に急増する理由不明の休み。忠誠心よりも「より良い条件」を求める労働文化への適応

給料日はほぼ全員が出勤する一方で、給料日後は欠勤が急増します。(笑)

急な支払い、家族行事、小旅行などの優先事項が多く存在するためです。

さらに、給料直後にそのまま退職し、より条件の良い職場に移るスタッフも珍しくありません。忠誠心より“今より良い条件”を求める労働文化が背景にあります。

4.【負の連鎖を断つ】「借金→転職ループ」をどう止めるか。個人間トラブルを防ぎ、長く働いてもらうための『社内貸付制度』の設計図

同僚からの借金、給料日前のローン、高利貸しの利用は日常で、返済できなくなると退職し別の職場へ移る“借金→転職ループ”に陥るケースもあります。今必要な現金を確保する手段が限られていることが大きな原因です。

私個人に借金相談が来ることも少なくありません。

当初は基準を設けて貸したこともありましたが、返ってこないことが大半で、悲しい思いをしないためにも今では全て断っています。一方、会社としては勤続年数に応じた社内貸付制度を整備し、個人間トラブルを防ぐ仕組みを導入しています。

5.【最強のセーフティネット】困った時は家族が頼り。個人の判断より優先される「家族全体の意向」をマネジメントに活かすコツ

借金の肩代わり、医療費、急な帰省──こうした負担を最終的に担うのは常に家族です。

東南アジアでは、家族は生活の最前線にあり、困ったときに頼るべき“最初で最後のセーフティネット”として機能しています。

個人の判断よりも家族全体の意向が優先される場面も多く、これは日本の「まず自分で何とかする」という価値観とは対照的かもしれません。

また、家族が優先される背景には、社会保障制度がまだ十分に整っていない現実があります。医療費の立て替え、突然の帰省費用、親族の行事など、家族間で助け合う文化が強く根付いているため、会社としても「家庭優先」の考え方を理解しておく必要があります。

家族関係を理解できると、スタッフの行動の理由が見えやすくなり、マネジメントのストレスも大きく減ります。

6.【対話の土台】日本的な価値観でジャッジしない。「なぜそうなるのか?」という背景を理解した上で、適切なルールを設計する

金銭感覚の違いは浪費癖ではなく、文化・教育・社会構造が複雑に絡む結果かもしれません。

例えば、給与が低く貯蓄が難しい家庭では、どうしても“目の前の生活を回すこと”が優先されます。そのため長期的な計画を立てるという発想自体が現実的ではなく、日本的な価値観で判断するとズレが生じます。

だからこそ、現地スタッフをマネジメントする際は「なぜそうなるのか?」を背景から理解する姿勢が欠かせません。

価値観の違いを知り、文化的背景を踏まえたうえで対話することで、初めて信頼関係が生まれます。

これは会社のルールを緩めるという意味ではなく、相手の“大前提”を理解したうえで、適切なルール設計やフォローを行うということです。マネジメントの難しさは減り、チームとしてのまとまりも確実に高まっていきます。

7.総括:違いを否定せず、文化を前提に生きる。経営者が価値観の溝を埋めることで、海外拠点の組織力は爆発的に高まる

現地スタッフのお金の使い方には、多くの文化的背景や生活事情が影響しています。

違いを否定するのではなく、まずは「そういう前提で生きている」という理解から始めることで、マネジメントは大きく変わります。価値観の溝を埋められる経営者こそが、海外ビジネスを安定させられるのだと強く感じます。


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