こんにちは、Dextaです。
今回は、東南アジアでの経営における「右腕育成のリアル」についてお話します。最初はまったく合わなかった現地スタッフが、信頼できる“右腕”へと変わっていくまでのプロセスと、その中で感じた葛藤や気づきを綴ってみました。
1.まさかのスタート:紹介されたけど、全然合わない
「どなたか良さそうな経理の人材を紹介してくれない?」
そう言って、前職で信頼していた部下にお願いして紹介してもらったのが、今のローカルマネージャーでした。
でも、最初はまったくそりが合わない。お互いにイライラしっぱなしで、「まさか、自社で持て余した人材を押し付けてきたのでは?」と疑ったくらいです(笑)。
- 伝わらないニュアンス
- 噛み合わないテンポ
- 常に一言多い返し
何もかもがストレスで、正直「外れくじか?」と思っていた時期もありました。
2.信頼は、時間と摩擦から生まれる
それでも、降格や解任に踏み切らなかったのは、どこかに“可能性”を感じていたからです。
時間をかけて仕事を重ねていくうちに、少しずつお互いの価値観やテンポ、考え方の癖が見えてきました。
- 「この人は、こういう言い回しをするんだな」
- 「この領域までは任せて大丈夫そうだ」
摩擦の中から、信頼の輪郭がゆっくりと浮かび上がってきました。
相手を完全に理解することはできなくても、理解しようとする姿勢が少しずつ信頼を育てていく。そう実感できる日々でした。
3.危機を共に超えて生まれた信頼
何より大きかったのは、いくつもの難局を共に乗り越えた経験です。
- 会社設立直後の資金繰り危機
- サプライヤーとのトラブル
- そして、コロナ禍
逃げずに立ち向かい、一緒に考え、動いてくれた彼の姿勢に、私は信頼以上の“絆”を感じるようになりました。
このとき、「部下」ではなく、「頼れる右腕」になってくれたと心から思いました。
4.今では頼もしい現地のリーダーに
今では、
- 役所の煩雑な対応も一手に引き受けてくれる
- サプライヤーとの交渉では妥協せず強気で臨んでくれる
- 必要な場面では私に代わって現場の調整や説得も担ってくれる
経営者として、これほど任せられる存在がそばにいることが、どれほど心強いか。
以前は「すべて自分で見ておかないと不安だった」私も、今では彼に任せる部分が大きくなりつつあります。
5.それでも、ちょっとした後日談
信頼関係が築けた今でも、たまにこう思うことがあります。
「それでもまだ、こんな些細なことを確認してくる?!」
そんな東南アジア的な“確認文化”に、思わず笑ってしまう場面もあります(笑)。
でも、そういうやり取りさえも、今となっては信頼の証だと感じています。
6.育成は関係性の積み重ね
結局、「右腕」は“見つける”ものではなく、“築いていく”ものなのだと、今は確信しています。
- 自分の苦手を認めた上で
- 相手の不器用さも含めて信じて任せる覚悟を持ち
- 共に困難を乗り越える
この積み重ねが、信頼を生み、成長を支えるのだと思います。
私のように「人を育てるのが苦手」な経営者でも、あきらめずに向き合えば、必ず変化は訪れる。
今日も、そう信じて現場に立っています。
Dexta
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