こんにちは、Dextaです。
今回は、東南アジアで企業を経営する中で避けて通れなかった「人材育成の難しさ」についてお話します。
1.育成が苦手な経営者としての葛藤
「人を育てるのは得意ですか?」
正直に言うと、自分はまったく得意ではありません。
指示を出し過ぎると“指示待ち人間”が育ちますし、任せすぎると、今度は勝手に判断してしまい、現場が崩れる。
特に東南アジアでは、
「外国人トップの言うことに従ってさえいれば怒られない」
という空気感があるため、自ら改善しようとする動きが生まれにくい環境もあります。
2.現場を任せて起きた失敗の連続
そんな中で、私は「現場を任せる」ことで何度も失敗してきました。
マネージャーとして期待していたスタッフが、作業員を巻き込んで作業工程を省略したり、品質管理基準を改ざんしたり。(しかもそれがトップに伝わらないような細工付きで。)
こちらからの指示には従ったフリをするのがまた悪質で、表面上は取り繕えたように見えても、内情は酷い有様だったこともありました。
3.育った人材ほど辞めていく現実
何より辛いのは、やっと育ってきた人材が突然辞めてしまうことです。
退職の理由もさまざまで:
- 家庭の事情
- 処遇
- キャリアの不安 など
やる気がある人材ほど、次のチャンスを求めて去っていく――。
これは何度経験しても、やはり堪えます。(今ではだいぶ慣れましたが・・・笑)
4.ようやく現れた“右腕”と今の課題
そんな中でも諦めずに続けてきたことで、ようやく“右腕”と呼べる存在が成長してきました。
彼とはオープンに意見交換ができるようになり、特に会社の危機を共に乗り越えた経験が、信頼関係の転機になったと思います。
ただし、それは幹部レベルの話です。
現場のスタッフ一人ひとりまで自律的に動ける組織にするには、まだまだ課題が山積みです。
5. 育成は一度で終わらない――積み重ねと失敗から学ぶ
育成とは、マニュアルや仕組みで一気に仕上がるものではありません。
- 日々の積み重ね
- 失敗からの学び
- 忍耐と対話
私のように人を育てるのが苦手な人間でも、信頼を積み重ね、少しずつ「任せる力」を身につけていくことで、
組織はきっと変わっていける――。
そう信じて、今日も現場と向き合っています。
Dexta
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